お米パワー

店主はご飯のみならずパン(とりわけカレーパン)やラーメンも同じくらい好きです(最近は毎日玄米食が主ですが)。

米国やカナダ産小麦粉(小麦粉の国内流通量の約90%は輸入)に使われている除草剤であるグリホサート(発がん性も指摘されている)に子どもの自閉症発症リスクを上げる可能性があるとの研究結果(千葉大学・橋本教授による妊娠マウス動物実験での成果)が米国科学アカデミー紀要の電子版に発表された(今年5月)とのこと。グリホサート入り飲料水を飲ませた妊娠マウスから生まれた仔マウスは自閉症様異常行動を示し、さらに飲ませなかった仔マウスと比較し、腸内細菌叢のバランスが崩れ、また妊娠マウス体内で炎症を強める物質の遺伝子発現が脳内で有意に高まっていた模様。これらの実験結果はヒトでは不明であり、ヒトで検証するには大規模な追跡調査が必要です。なお、希少な国産の小麦粉にはグリホサートの収穫前散布は禁止されているため、国産小麦粉であれば上述したようなリスクはありません

 昨年末にNHKテレビ番組でも放映されましたが、お米のでんぷんには数々のメリット(米国ダートマス大学研究室のドミニー博士の世界中の民族を調査した研究結果)があり、

でんぷんを多く食べる日本人は全体的にアミラーゼ遺伝子(肥満を抑制)の数が多く、アミラーゼ遺伝子の数が多い人ほど、でんぷんを食べても「太りにくい」体質

  でんぷんをとった時、「インスリン」がどれだけ出るかを調べたところ、アミラーゼ遺伝子が多い人は、およそ20%もインスリンの分泌量が少ないことが分かった。つまり、日本人にはご飯などのでんぷんを食べてもインスリンが出過ぎず、太りにくい人が多いと言える。

  日本人50人の腸内細菌を調べた結果、欧米人にはあまり見られないプリボテラ菌(プリボテラ菌はご飯などの糖質を食べて、「短鎖(たんさ)脂肪酸」という物質を作り出す。短鎖脂肪酸は脂肪の燃焼を促して肥満を防いだり免疫の働きを良くして動脈硬化や糖尿病を予防したりするなど、優れた健康効果があることが最新研究で明らかになっている。)は全腸内細菌の7.5%と減ってはいるものの、確かに受け継がれていることが分かった。

 日本人は3千年も前からお米を食べ続けており、上述させて頂いた通り、お米のでんぷんには多くのメリットがあることが最近明らかになっています。勿論、パンやラーメン、バラエティーに富む食事を楽しみ、美味しく感じることは健康増進に大きく貢献できる大切な要素ですが、国内ではお米離れが進んでいます。微力ながらも当店のカレーと玄米の組合せが少しでもお客様の健康に資することができるよう、美味しさも探究しながら日々精進いたします。

 先週の日曜日、近くのスーパーマーケット駐車場植え込みのツツジの花(既に見ごろは過ぎていますが)にアゲハ蝶が蜜を吸うために停まっていました。