食品の再加熱

肉、魚、チーズなどを焼いたり、揚げたりする高温調理によって美味しさが得られると同時に食品中のAGE(終末糖化産物;たんぱく質に糖が結合することによって生じる)が増えると言われています。なお、AGEが体内に増えると肌(シミやシワ)、骨(骨粗しょう症)、血管(動脈硬化)への影響も報告されており、あまり有難くない物質です。なお、一度調理したもの(特に焼いたり、油で揚げたもの)を電子レンジで再加熱した場合、AGEがさらに増えるのみならず、脂質劣化(油脂の酸化)も進むようです。

米国では豚肉を電子レンジで3分加熱した場合、7分炒めた場合の倍以上もAGEが増えたとの研究結果が報告されています。AGE研究で著名な牧田善二医師によると、AGEが増える原因として、一つは体内のたんぱく質そのものが糖化(糖尿病など血糖値が高い方の場合は糖化し易い⇒ヘモグロビンA1C検査値によって全身の糖化が進んでいるか否かが判明)する場合、もう一つは食事摂取によって体内に蓄積する場合の二つのパターンがあるとのことです。さらに果物や清涼飲料水等に含まれる果糖が糖質の中では最もAGEを作り易く、果物は少量を皮ごと食べることがお勧めとのこと。その他AGEを下げる食品・飲料は緑黄色野菜、トマト、キノコ類、緑茶、豆乳、ワイン(適量)、酢・レモン・梅干し(クエン酸含量が多い)等とのことですが、NCカレーでは緑黄色野菜、トマト、キノコ類を多用しています。

電子レンジはとても便利で画期的な電化製品ですが、たとえば一度炊飯したお米は電子レンジ加熱によって硬くなる(水分が蒸発し、パサつく)、お米中のたんぱく質が変性し易くなる(凝固)デメリットもあり(肉類も熱変性で縮む;スポンジを絞ったように肉内部の水分が流出)、できるだけ蒸すことがお勧めです(冷蔵・冷凍保存したカレーなどはフライパンや鍋で弱火で徐々に加熱した方が美味しく頂けます)。食品再加熱の際は、電子レンジを使う場合はなるべく短時間、また時間が許す限り、蒸したり、鍋・フライパン等で徐々に加熱することが色々な意味でメリットがあるようです。