神様からの贈り物

NCカレー店まで毎日往復3時間掛け、いくつかの駅で乗り継ぎながら通う電車内で毎日見かける光景はマスク姿でスマホをじっと見つめ続ける人々。自分はと言えば、ほとんどスマホを見ずに電車内では新聞を読んだり、コロナ禍における店舗運営や日々の反省点、改善すべき点、新しいメニュー開発などについてあれこれ考えたりしています。今年5月でNCカレー開店後、丸3年経過しました。根津駅あるいは上野駅からやや離れており、住宅街の目立たない場所に立地する小さなカレー店ですが、コロナ禍でも来店頂いているお客様方には本当に心より感謝しかありません。また、オープン2年目の昨年は欧米を中心に多くのカレー好き外国人観光客の方々に来店頂きましたが、今年はほぼ皆無の状況です。

当店に限らず、どの飲食店も非常に苦しい店舗運営を強いられているものと思いますが、ある意味、新型コロナは神様から店主への贈り物であるとも考えています。ここ数年、時々耳にする横文字でレジリエンス(resilience)という言葉があります。使用場面によって色々な訳し方があるようですが、店主は「レジリエンスとは変化・逆境時における適応および変革能力」と解釈しています。『何が起きても、色々と考え、工夫し、困難に打ち克つようなタフさと適応力がなければ道は開けないよ。』と今回のコロナ禍は神様から自分への贈り物であり、試されているような感じさえしています。艱難汝を玉にすと前向きに捉えようと思います。

先日、お客様(お若い女性の方)からも大変素敵な手作りの贈り物を頂きました。有難うございました。店内入口正面に飾らせて頂いております。小さなカレー店内で静かに、そしてさり気なく輝き続けています。

冷え対策と自然免疫

これからの季節は徐々に気温が下がり、より効果的な“冷え”対策を講じることは重要です。体温を上げる(特に下半身を温めることによって)ことで新型コロナやその他ウイルス、細菌などの病原体が身体に侵入した際、初期に病原体を駆除する役割を担う自然免疫力が高まります(感染免疫学ご専門の藤田紘一郎先生によると、体温を1度上げると自然免疫担当の細胞活性が数倍高まるとのこと)。

なお、カレースパイス類には代謝を上げて血流改善、体温を上げる効果を有するものが多く、この点は大きなメリットです。お客様より「NCさんのカレーを食べると体調が良くなる、ぽかぽかして良い感じ。」というご感想を時々伺います。ただし、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」でスパイスの過剰摂取は毒性の強いもの(通常のカレーに含まれている程度のスパイス量では安全面に問題はないと考えられますが)。ナツメグは神経系への影響(動悸、めまい、幻覚)、カレーを黄色にするウコン(ターメリック)、そしてシナモンの長期大量摂取は逆に肝機能への障害、ローズマリーや八角は痙攣・昏睡、サフランやセージなら痙攣や意識障害を引き起こすと言われています。スパイスに限らず、どんな食材、食べ物でも適量を摂ることがお勧めであることは言うまでもありません。

毎日散歩などの適度な運動、時にはカレーを食べて身体を温めることが自然免疫増強につながり、結果的に新型コロナやインフルエンザなどの感染症予防対策にもなり得るものと思われます。