超高齢社会が直面する現実

普段も千客万来には程遠い状況ですが、一昨日、昨日と特にお客様のご来店が少ない日が続きました。そんな折、昨日の黄昏時に80代前半位のおばあちゃんがお独りで来店しました。お話を伺ったところ、カレーを食べに来た訳ではなく、近隣のリハビリデイサービス施設を週2回ほど利用しており、通常はスタッフが車で自宅まで送ってくれるが、今日はスタッフ不足のため、施設利用後、送り届けて頂けず、あちこち歩き回って道に迷ってしまったとのことでした。さらに詳しい事情を聞いたところ、認知症を患っており(軽度認知障害?)、指南力低下もあり、自宅に帰る方法が判らなくなったそうです。店舗前でタクシーを止めるまでの数分間の僅かな時間でしたが、店舗内で温かな緑茶を一杯飲みながら、おばあちゃんは嬉しそうに生まれ故郷(山形県)や旦那様の話題などを語ってくれました。「機会があったら、いつか旦那様とカレーを食べに来てくださいね。」との店主の問い掛けに、おばあちゃんはニコニコ微笑みながら静かにうなずきました。またしてもほのぼのとした幸せ感を覚えたひとときでしたが、一方では超高齢社会の我が国が直面する切実な問題を考えさせられた1日でした。

幸せ感に満ちた土曜日

昨日の土曜日、お二人の常連さんから嬉しいコメントを頂きました。20代半ばの男性は「健康志向の飲食店は色々と健康に良い食材をアピールするが、料理が美味しくない場合が多い。NCカレーさんは、身体に良いのみならず、どのメニューも美味しい。お味噌汁も素晴らしい。そして、カウンター席が独りでも気を遣わずにゆったりとくつろげる点が良い。」対し店主は「身体に良いのみならず、美味しいことは必要条件、さらにお客様が御一人で来店しても余計な気を遣わず、ひいては楽しいと思えるようであればと常に考えています。」もう一人、20代前半東京芸大大学院生の女性は「カレーも美味しいけど、野菜炒めが郷里の母が作る味と同じ感じ!母には1年も会えていないので、懐かしさがすごく込み上げて来ます。」とのややしんみりとさせる感想。「弊店の野菜炒めは店主の亡き母から教わったものです。気に入って頂き、とても光栄です。」と返しました。何だか幸せ感に満ち溢れた土曜日でした。

 

基本を忘れないこと

またまた最近ご利用頂いた外国人のお客様に関する話題です。イタリアから観光で来日された20代後半のカップルはお二方ともチキンカレーを召し上がり、「イタリアでもカレー店はあるものの、こんなに美味しいお店はない。」と絶賛頂き、カレーは勿論のこと、野菜炒めもおみそ汁も完食されました。一方、フランスからの同年代のカップルはカレーについては高く評価くださったものの、秩父の源作印赤ワインを冷やしたまま提供したところ、「フランスでは赤ワインは、あまり冷やさずに飲んだ方がより美味しく飲めるということが常識なので、その点は配慮されるべきです。」とのやや厳しいコメントでした。本件については、赤ワインのいろはを忘れており、本当にうかつでした。大きな反省点です(ただし、ボジョレー・ヌーヴォーに関しては10~12℃程度に冷やして飲んだ方が飲み頃のようですが)。

仏ボルドーから来店のお客様

昨日、フランスのボルドーから観光で来日されているご夫妻がお見えになり、奥様は牛すね肉&野菜ぽかぽかスープ、ご主人は牛すね肉カレーを召し上がり、秩父の源作印赤ワインで乾杯され、ワインもお料理も大変喜んで頂けました。また、店主の趣味である漫画(イラスト)と一輪のお花をプレゼントしたところ、奥様は涙を浮かべるほど感激されておられました。一人一人のお客様に喜んで頂けることこそ、自分にとっても一番嬉しく、また有難いことです。