玄米食と食物繊維

当店に来訪頂くお客様の中には玄米が苦手な方がおられます。特に胃腸が弱い方、消化力が低下した高齢者には玄米の食物繊維が負担になる場合もあります。一方、白米は消化が良いこともあり、玄米と白米を程よく摂取するなどの工夫が必要と思われます。

日本人は食物繊維の摂取が不足していると言われています。食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、不溶性は便が硬くなり易く(玄米、レンコン、たけのこ、ブロッコリーなどの野菜、しいたけ等のきのこ類などが豊富)、水溶性は逆に便が軟らかくなり易い(海藻、アボカド、里芋、オクラ、ごぼうなどの野菜、リンゴなどの果物に多い)という特徴があります。快腸、お通じを良くするための不溶性と水溶性の理想的な摂取比率は2:1と言われていますが、現状の日本人平均は4:1と水溶性の割合が少なくなっています。また、お通じを良くするためには、食物繊維の摂取比率だけではなく、牛乳、ヨーグルト、コーヒーなどもプラスに働きます、

玄米は白米に比し多くのメリット(糖質をエネルギーに変換する際に必要なビタミンB1やナイアシンなどのビタミン類を多く含有、食後血糖値上昇が緩やか、ミネラルや食物繊維が豊富、抗がん作用、ダイオキシンなどの有害物質を体外へ排出させるデトックス作用など)があります。

一方、デメリット(一般的に白米に比べて美味しくない、食べ過ぎると便が硬くなる、残留農薬が多い、カルシウム・リンなどのミネラルの吸収を妨げる、消化に時間が掛かることより、よく噛んで食べる必要がある、等々)もあります。このように玄米が身体に良いからと言って過剰に摂り過ぎると色々なマイナス面もあります。

当店で使用している有機玄米は残留農薬の心配はなく、炊飯前日より水浸していることもあり、ふっくらと美味しく炊上がります。さらに長時間の水浸により発芽し、体内の神経伝達物質であるGABA(ガンマ-アミノ酪酸;交感神経を抑制する作用によって、血圧上昇を抑える、睡眠の質を改善、ストレスの緩和などの働きがある)も増加します。炊き方も色々と工夫が必要です。

身体に良い食べ物だからと言って過度な摂取で偏らないように他の食材と上手く組み合わせて摂り入れることが重要であると思われます。