熱中症に伴う脱水

2026年の夏も非常に蒸し暑い日が続いています。夏場の脱水を伴う熱中症で特に注意が必要なのは高齢者です。ポイントは軽度の時に適切な対応をすること。熱中症は体温が上昇、体温調節機能のバランスが崩れ、熱を体外に放出できなくなり、体内に熱がこもり、発症。重症化すると死に至るケースがあるばかりではなく、後遺症や脳梗塞・心筋梗塞発症に繋がる場合もあります。

軽度・熱中症の主な症状はめまい立ちくらみ筋肉のこむら返り(特にふくらはぎなど、就寝中、夜間~早朝に掛けて足がつることが多い 腰に疾患がある場合や糖尿病の方も足がつり易くなります)手足のしびれ不快感大量の発汗(高齢者では汗をかきにくいことも)など。また、高齢者においては、本人も周囲も気づかないまま脱水状態に陥る「かくれ脱水」が夏場のみならず、冬季でも起こり、重症化して命にかかわることも少なくありません。典型的な症状としては、手の甲をつまんでも、すぐに戻らない、爪を押した後、色がすぐに戻らない、唇がカサカサ、口内がねばねば、乾燥、脇の下が渇く、うとうと傾眠傾向など。

糖質としてブドウ糖主体、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどもバランス良く配合し、吸収が速い経口補水液などをこまめに摂取特に高齢者の場合、熱中症ならびに脱水状態であることに本人も周囲も気づかないケースも多く日ごろからお味噌汁牛乳ヨーグルト、野菜など、栄養バランス(塩分・ミネラル類を含む)など食生活に配慮することも重要です。

  • 予防策として本格的な夏到来前に適度に汗をかき、徐々に身体を暑さに慣らす暑熱順化も効果的ですが、盛夏後でも適度に汗をかくことは体温を外に放出させる働きもあり、辛いカレーを食べる時の発汗同様、身体にとっては有益です。暑さに身体を徐々に慣れさせ、発汗機能を維持(ウォーキングなど軽度の運動;日中の高温時の外出は避け、早朝あるいは夜の時間帯に軽い散歩雨の日は屋内でスクワットなど)。さらに体内の水分量が少ない高齢者(ヒトの水分は筋肉内に多く含有)は適度なトレーニングによって筋肉量を増やすことも脱水対策として効果的な方法です。
  • 例えば外食でラーメンを食べると丼1杯には塩分として6~8g、濃いお店では10gを超えることも。厚労省による塩分推奨量/日は男:7.5g未満、女:6.5g未満。梅干しは塩分濃度:20%(梅と塩のみで作る昔ながらの製法)、8%で1個分の塩分量は各々、2~3g、1.2g前後(梅干しは果肉を分けて水分と共にこまめに摂取することが推奨されます)。日本人の食塩摂取量/日の平均値は男:10.5g、女:9.0g(2022年)高血圧や腎疾患の重症化を予防するためには、男女共に6g/日未満。
  • 「飲む点滴」の経口補水液には500mL中、塩分として約1.5g含有。点滴と同様、徐々に体内に吸収させるように、こまめに摂取することがポイント(屋内では飲み残した分を冷蔵庫で保存、外出時にはボトルホルダー等に入れて冷やしながら持参)。なお、特に持病として高血圧・心疾患がある場合は塩分、腎疾患ではカリウム摂取量注意。また、糖分の多いスポーツドリンクなどの過剰摂取によって血糖値が異常に高くなる状態;ペットボトル症候群(大量に飲む➡血糖値上昇尿量が増え脱水➡喉が渇く➡また飲む➡血糖値上昇と負のスパイラル)にも要注意。ヒトの身体は脱水が起きている時に水、スポーツドリンクなどをがぶ飲みした場合、血液が薄まり、血液を濃くして浸透圧を上げる方向に生体が働き、逆に必要な水分が汗や尿で体外に排泄されてしまいます。さらに、糖尿病の方は脱水時に糖分の多いドリンクを飲むと、高血糖による浸透圧利尿が起こり、逆にさらに脱水が進む場合があります。

参考データですが、2025年、都内で救急搬送された方の半数は65歳以上の高齢者場所の半数以上は住宅等居住場所(屋内)気温28~35℃湿度50~80%時間帯11~15時台(ピークは12時台)となっています(東京都消防庁データ)。ただ、気温が低めの時でも湿度が高いと汗が気化、蒸発し難く、熱が体内にこもり易くなり、熱中症になることがあります。猛暑日あるいは酷暑日にはエアコンを使用すべきですが、高齢者の中には真夏の猛暑日でも暑さを感じないどころか、寒いと感じる方もいます(筋肉量低下➡基礎代謝低下➡体温が低くなる)。さらに、エアコン電気代も高く、年金暮らしの高齢者には非常に厳しい我が国の経済。ご家族や介護関係者の理解と支援を受けつつ、扇風機やエアコンなどを上手く活用したいものです。