認知症の効果的な予防法は?

新型コロナ感染症は予想通り、低温・乾燥下の冬場に増加していますが、無症状あるいは軽症者が多い青壮年期層(10歳代後半から50歳くらい)から高齢者への感染を特に注意する必要があります。一方、外出を過剰に控える高齢者の認知症症状悪化も報告されています。

今年(2020730日)、認知症専門家からなるランセット委員会がエビデンス(科学的根拠)に基づく調査結果を発表。それによると45歳までの教育難聴頭部外傷高血圧過度の飲酒肥満喫煙うつ病社会的孤立運動不足大気汚染糖尿病12リスク要因を改善することで認知症発症を遅らせる、あるいは発症を40%予防する効果が期待できるとのこと。今後、個人的には上記12項目の他に歯周病コロナ後遺症も認知症リスク要因に関わって来る可能性があると考えています。

また、生活習慣病関連の遺伝子発見が相次いでいますが、関連遺伝子があれば必ず発症する訳ではなく、無くても絶対に発症しない訳でもなく、さらに生活習慣に日頃留意しているヒトでも発症するケースはあります。日本循環器病学会前代表理事の小室一成氏によると「遺伝的な要因があっても、生活習慣の改善は発症予防に役立つ。」とコメントされています。店主も全く同感です。

新型コロナ感染、癌、認知症、何れも誰しもが罹りたくない疾患です。我々一人一人が毎日歯を磨くように日頃できることの中で、できる限りバランスの良い食事を心掛け、無理なく歩くこと(身体を動かすこと)二つを両方遵守することが健康維持には必要不可欠と考えています。コロナ禍で運動不足、歩くことも減少しがちと思いますが、“歩くことは、生きること”に繋がります。

旬の食材を使った煮物

これから埼玉県所沢の里芋が旬です。ねっとり感が強く、大変美味しいブランド里芋ですが、最近、この里芋を使った煮物を創りました。所沢名産里芋、大分産干原木椎茸、銘柄鶏もも肉、青森産ゴボウ、大根、人参など、出汁は北海道羅臼産昆布とかつお節を使用しました。

かなり良い出来栄えで、常連のお客様にも大変喜んで頂けました。これから徐々に気温が下がって来ますが、根菜類やカレーのスパイス類には身体を温める作用を有するものが多く、今後の寒さ対策に煮物やカレーがお勧めです。

神様からの贈り物

NCカレー店まで毎日往復3時間掛け、いくつかの駅で乗り継ぎながら通う電車内で毎日見かける光景はマスク姿でスマホをじっと見つめ続ける人々。自分はと言えば、ほとんどスマホを見ずに電車内では新聞を読んだり、コロナ禍における店舗運営や日々の反省点、改善すべき点、新しいメニュー開発などについてあれこれ考えたりしています。今年5月でNCカレー開店後、丸3年経過しました。根津駅あるいは上野駅からやや離れており、住宅街の目立たない場所に立地する小さなカレー店ですが、コロナ禍でも来店頂いているお客様方には本当に心より感謝しかありません。また、オープン2年目の昨年は欧米を中心に多くのカレー好き外国人観光客の方々に来店頂きましたが、今年はほぼ皆無の状況です。

当店に限らず、どの飲食店も非常に苦しい店舗運営を強いられているものと思いますが、ある意味、新型コロナは神様から店主への贈り物であるとも考えています。ここ数年、時々耳にする横文字でレジリエンス(resilience)という言葉があります。使用場面によって色々な訳し方があるようですが、店主は「レジリエンスとは変化・逆境時における適応および変革能力」と解釈しています。『何が起きても、色々と考え、工夫し、困難に打ち克つようなタフさと適応力がなければ道は開けないよ。』と今回のコロナ禍は神様から自分への贈り物であり、試されているような感じさえしています。艱難汝を玉にすと前向きに捉えようと思います。

先日、お客様(お若い女性の方)からも大変素敵な手作りの贈り物を頂きました。有難うございました。店内入口正面に飾らせて頂いております。小さなカレー店内で静かに、そしてさり気なく輝き続けています。

冷え対策と自然免疫

これからの季節は徐々に気温が下がり、より効果的な“冷え”対策を講じることは重要です。体温を上げる(特に下半身を温めることによって)ことで新型コロナやその他ウイルス、細菌などの病原体が身体に侵入した際、初期に病原体を駆除する役割を担う自然免疫力が高まります(感染免疫学ご専門の藤田紘一郎先生によると、体温を1度上げると自然免疫担当の細胞活性が数倍高まるとのこと)。

なお、カレースパイス類には代謝を上げて血流改善、体温を上げる効果を有するものが多く、この点は大きなメリットです。お客様より「NCさんのカレーを食べると体調が良くなる、ぽかぽかして良い感じ。」というご感想を時々伺います。ただし、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」でスパイスの過剰摂取は毒性の強いもの(通常のカレーに含まれている程度のスパイス量では安全面に問題はないと考えられますが)。ナツメグは神経系への影響(動悸、めまい、幻覚)、カレーを黄色にするウコン(ターメリック)、そしてシナモンの長期大量摂取は逆に肝機能への障害、ローズマリーや八角は痙攣・昏睡、サフランやセージなら痙攣や意識障害を引き起こすと言われています。スパイスに限らず、どんな食材、食べ物でも適量を摂ることがお勧めであることは言うまでもありません。

毎日散歩などの適度な運動、時にはカレーを食べて身体を温めることが自然免疫増強につながり、結果的に新型コロナやインフルエンザなどの感染症予防対策にもなり得るものと思われます。

地球温暖化と感染症

ようやく長梅雨が明けたと思ったら、毎日暑苦しい日と未だ収束していない新型コロナへの不安の日々が続いています。地球温暖化に対する危機感は人々が置かれている状況によっても色々と異なるものと思いますが、店主はパリ協定のような地球温暖化対策に本気で取り組むことは人類にとって喫緊の課題と考えています。二酸化炭素排出削減・再生可能エネルギー促進と二酸化炭素を吸収する海藻(成長スピードは陸上植物の数十倍)による沿岸の藻場やマングローブを増やし、人工植樹実施などを併走させることが肝要(海洋の9%で海藻を育てれば世界のバイオ燃料総ての需要を満たせるとの試算もある)と思います。

飲食店にとっても温暖化による夏の暑さは冷房機器使用頻度が増加し、電気料金は甚大です。当店のように12坪程度の小さな店でも毎月の電気・ガス料金は5万円前後にもなり、その支払いに苦慮しています。なお、福島原発には莫大な処理費用(〇〇兆円?)が掛かり続け、しかも国民や飲食店の電気料金に転嫁され、到底看過できない状況です。

また、新型ウイルス感染症の増加・蔓延は温暖化との関連が指摘されています。森林火災により生態系が破壊され、多種のウイルス感染症(新型コロナも含む)発生要因にもなり得るコウモリが養豚場の果樹を餌にせざるを得なくなり、ウイルスがコウモリから豚に感染、人獣に共通する感染症(ヒトのウイルス性脳炎)になった実例も東南アジアで報告(100人死亡)されています。アジア・アフリカで生息する野生動物内には1000種類もの未知のウイルスが存在し、今後も新たなウイルス感染症の流行が懸念されます。さらに、2019年、世界的に著名な医学誌:ランセットは「地球温暖化による降雨、湿度上昇によってマラリアやデング熱などを媒介する蚊が繁殖し易くなる。」と警告しています。

毎日カレーやおつまみ創りに励んでおり、またコロナ禍で店舗運営も厳しい状況ですが、地球温暖化問題も注視し続けようと思います。

渡哲也さんが旅立たれました

先日、俳優の渡哲也さんの訃報が流れました。思い出すのは学生時代、ゼミの仲間と東京から関西方面に移動する新幹線グリーン車中に何と渡さんがいました。角刈り、薄茶のサングラス、隣席にはこわもてのマネージャー(?)らしき男性。芸能人に対してはあまり興味なかったのですが、渡さんは特別でした。渡さん主演の深作欣二監督映画なども鑑賞、感動したこともあり、独りで渡さんの座席に出向き、自分の手帳にサインをお願いしました。渡さんは表情一つ変えることなく洒落た万年筆でサインをしてくれました。その際、「渡さん、深作欣二さん監督の映画『仁義の墓場』を見ましたが、あれは素晴らしかったです。本当に感動しました!」と話し掛けました。すると、急に相好を崩され、心底嬉しそうに私の顔を見上げながら一言、「おう!」と深い感激の歎声(たんせい)をもらされました(渡さんは座席から立ち上がられ、私と男同士の固い握手をしてくれました)。

渡さんと言えば豪放磊落なイメージですが、豪胆かつ繊細な方だったように思います。また一人昭和を代表する大スターが旅立たれました。衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。

若い世代のお客様ご利用と感染症予防対策

昨日の土曜日は、比較的若い世代のお客様が多い1日でした。特にランチタイムは、男子高校生と団体での大学生(?)と思しき方々のみのご利用でした(店内お召し上がり)。どちらかと言えば中高年層の方々が当店を利用されるケースが多いのですが、ちょっといつもと違うパターンになりました。

幸いなことに皆さん、満足されてお帰りになられたご様子でしたが、新型コロナの不顕性感染者(感染しても無症状)が多いと言われている若年層の方々が店内飲食で利用される場合は特に細心の注意を払います。今は日常的に備え付けのアルコール消毒は勿論の事、店舗出入口開放による換気(エアコン稼働時はウイルス飛沫が空中に舞い上がり易い)、お客様同士の間隔を空ける(つい最近はテーブル席を二組のお客様方が利用された際、手作りのビニール仕切りを天井から吊るしました)、お客様ご利用後の座席、テーブル、トイレ消毒等々、徹底しております。なお、当店は常に2機の換気扇が稼働し、さらに比較的天井も高く設計されており、店の給気(外から自然に入る新鮮な空気)口と排気口によって効率の良い店内換気が24時間なされています。

カレーやおつまみがより一層美味しくなるよう四六時中、創意工夫に努めていますが、感染症予防対策にもしっかりと取り組んでおります。現状では外食を控える方々が多いのは止むを得ないことですが、しっかりと感染症対策が取られている場合は店内飲食でストレス発散ならびにリフレッシュできるものと思います(また、特にカレーの味やスパイスの香りは経時的に劣化することもあり、時には店内でのお召し上がりを検討されては如何でしょうか?幸か不幸か、当店はいつも混み合うことは希です。)。

ところで、最近、また新たなおつまみを試作しました。非常に風味豊かな国産ニンニクの芽(岩手県産)と銘柄鶏砂肝のオリジナル炒め物です。自画自賛になりますが、こりこりした食感と香ばしさに悶絶しそうでした(あまりの美味しさに写真を撮ることも忘れてしまいました。)。
* 以下、後日撮影(ビール、ワイン、日本酒の何れのおつまみにも合います)

新メニュー

先週末、常連のお客様(男性)が新しいメニューを試されました。日本酒(純米酒「だびょん」)の冷酒とおつまみの日替わり新規メニュー;北海道東部沖水揚げ時鮭のムニエル(時鮭は海から川に上る前の脂が乗った白鮭。バターとオリーブオイルでこんがりと炒めた鮭皮も非常に美味。希少なじゃがいもであるインカのめざめのポテトサラダ付き)を注文され、時鮭の美味しさに感動されておられました(¥800;税込み価格)。

締めは新しいメニュー「和牛・国産牛ハンバーグカレー(和牛・国産牛100%使用の手作りふっくらハンバーグ)」辛口を召し上がり、大満足のご様子でした(¥1,600;税込み価格)。


食べ物の嗜好は十人十色ですが、一人でも多くのお客様に心底喜んで頂けるようなカレーとおつまみを日々、創意工夫しながら創っています。死ぬまで修行の毎日です。

戦いは続きます

梅雨時は気圧の変動や寒暖差が大きく、それによるストレスが自律神経(交感神経と副交感神経)を刺激し、交感神経(身体を活発にする)と副交感神経(リラックス状態にさせる)のバランスが崩れ易くなり、疲れ易くなったり、体調を崩しがちです。ただでさえ、仕事や対人関係、最近再び混み始めた通勤電車、等々、私たちは常にストレスの多い環境下に置かれています。

このような状況下、一見沈静化してきたように見える新型コロナ。ウイルス研究で著名な京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸先生によると「新型コロナウイルスがPCRの検査対象である咽頭部からは消失し、血管内皮、血液細胞、骨髄などその他の臓器で無症状のまま持続感染している可能性がある。」とのこと。もし、その仮説が正しいとすれば、体調不良で免疫力が低下している時に休眠状態のウイルスが暴れだす可能性もあり、仮に陽性だったPCR検査が陰性化したとしても暫くの間、油断はできません。今秋冬の第二波が懸念される中、まだまだ厄介なウイルスとの戦いは続きます。

適度な運動・睡眠・バランスの良い食事(冷たいものばかりを摂ると胃腸が疲れ、消化吸収機能が低下し、免疫力の低下につながります。気温の高低に関わらず温かな食事も摂るよう心掛けたいものです。)、短時間の日光浴(夏場は木陰で十分です)によって免疫アップです!

最近、店舗入り口付近に黄色の小さな花が咲いています。毎日、有機玄米の研ぎ汁を掛けながら「大変な世の中になったけど、くじけないで今置かれている処で小さな花を元気に咲かせ続けておくれ!」と静かに話し掛けています。

 

お米パワー

店主はご飯のみならずパン(とりわけカレーパン)やラーメンも同じくらい好きです(最近は毎日玄米食が主ですが)。

米国やカナダ産小麦粉(小麦粉の国内流通量の約90%は輸入)に使われている除草剤であるグリホサート(発がん性も指摘されている)に子どもの自閉症発症リスクを上げる可能性があるとの研究結果(千葉大学・橋本教授による妊娠マウス動物実験での成果)が米国科学アカデミー紀要の電子版に発表された(今年5月)とのこと。グリホサート入り飲料水を飲ませた妊娠マウスから生まれた仔マウスは自閉症様異常行動を示し、さらに飲ませなかった仔マウスと比較し、腸内細菌叢のバランスが崩れ、また妊娠マウス体内で炎症を強める物質の遺伝子発現が脳内で有意に高まっていた模様。これらの実験結果はヒトでは不明であり、ヒトで検証するには大規模な追跡調査が必要です。なお、希少な国産の小麦粉にはグリホサートの収穫前散布は禁止されているため、国産小麦粉であれば上述したようなリスクはありません

 昨年末にNHKテレビ番組でも放映されましたが、お米のでんぷんには数々のメリット(米国ダートマス大学研究室のドミニー博士の世界中の民族を調査した研究結果)があり、

でんぷんを多く食べる日本人は全体的にアミラーゼ遺伝子(肥満を抑制)の数が多く、アミラーゼ遺伝子の数が多い人ほど、でんぷんを食べても「太りにくい」体質

  でんぷんをとった時、「インスリン」がどれだけ出るかを調べたところ、アミラーゼ遺伝子が多い人は、およそ20%もインスリンの分泌量が少ないことが分かった。つまり、日本人にはご飯などのでんぷんを食べてもインスリンが出過ぎず、太りにくい人が多いと言える。

  日本人50人の腸内細菌を調べた結果、欧米人にはあまり見られないプリボテラ菌(プリボテラ菌はご飯などの糖質を食べて、「短鎖(たんさ)脂肪酸」という物質を作り出す。短鎖脂肪酸は脂肪の燃焼を促して肥満を防いだり免疫の働きを良くして動脈硬化や糖尿病を予防したりするなど、優れた健康効果があることが最新研究で明らかになっている。)は全腸内細菌の7.5%と減ってはいるものの、確かに受け継がれていることが分かった。

 日本人は3千年も前からお米を食べ続けており、上述させて頂いた通り、お米のでんぷんには多くのメリットがあることが最近明らかになっています。勿論、パンやラーメン、バラエティーに富む食事を楽しみ、美味しく感じることは健康増進に大きく貢献できる大切な要素ですが、国内ではお米離れが進んでいます。微力ながらも当店のカレーと玄米の組合せが少しでもお客様の健康に資することができるよう、美味しさも探究しながら日々精進いたします。

 先週の日曜日、近くのスーパーマーケット駐車場植え込みのツツジの花(既に見ごろは過ぎていますが)にアゲハ蝶が蜜を吸うために停まっていました。